COLUMN — コラム

美容室のホームページで、いちばん大事なひとつのこと

美容室のセット面に並ぶ椅子と鏡

美容室には、たいてい予約サイトのページがすでにあります。だから「うちはホームページまでは要らないんじゃないか」と考えるのは、自然なことだと思います。それでも作る意味があるとしたら、理由はひとつです。予約サイトの決まった枠の中では、「誰が切ってくれるのか」がほとんど伝わらないからです。

お客さんは、お店ではなく人を選んでいます

髪を切ってもらうというのは、考えてみれば距離の近いことです。1時間なり2時間なり、鏡越しに同じ人と過ごします。初めてのお店を探している人の不安は「うまいかどうか」だけではなくて、「どんな人が担当してくれるんだろう」がかなりの部分を占めています。

だから、美容室の見本を作るときに最初に決めているのは、担当する人の顔と名前と言葉を、ページの早い場所に置くことです。経歴の箇条書きではなくて、その人がどういうことを考えて髪を切っているのか、本人の言葉で。

ここが伝わると、初めての予約は「お店に行く」ではなく「この人にお願いする」に変わります。指名は、そこから始まります。

予約サイトとホームページは、役割が違います

予約サイトが得意なのは、比較してもらうことです。エリア、価格帯、空き時間で絞り込めます。だから、まだお店を決めていない人には強い。

ただ、あの枠の中では全部のお店が同じ形に見えます。写真の大きさも、項目の並びも決まっているので、「うちはここが違う」を出す場所がありません。

ホームページ側でやることは、その逆です。比較されるための情報ではなく、この人に頼みたいと思ってもらうための情報を置く。予約サイトで見つけてもらって、店名で検索して、ホームページで決めてもらう。この流れが作れると、指名の予約が入りやすくなります。

実際、店名で検索したときに予約サイトのページしか出てこないお店は多いです。そこで見えるのは、他店と同じ形に整えられた自分のお店です。

髪を指に挟んでハサミを入れる手元

スタイリスト紹介に、何を書くか

経歴と資格だけの紹介文は、読んでも人となりが分かりません。書くとしたら、こういうことだと思います。

  • 得意なこと。ショート、くせ毛、白髪染め、縮毛矯正。何でもできますより、これが得意ですのほうが選ばれます
  • よく受ける相談。「広がる」「まとまらない」「伸ばしかけで困っている」。自分の悩みと同じ言葉があると、指名されます
  • 切るときに考えていること。短い言葉でいいです。ここに人柄が出ます
  • 苦手なこと、やらないこと。正直に書くと、かえって信頼されます
  • 休みの日の話。1行あるだけで、会う前の距離が縮まります

顔を出したくない方もいます。その場合は、手元や後ろ姿の写真でも構いません。顔がなくても、言葉があれば人は伝わります。逆に、顔写真だけあって言葉がないと、あまり伝わりません。

料金は、ぼかさないほうがいいです

カットいくら、カラーいくらを、はっきり書くことをおすすめしています。「〜円から」という書き方は、書く側は親切のつもりでも、読む側には「結局いくらかかるのか分からない」と受け取られます。

ロングは追加でいくら、トリートメントをつけるといくら。正直に書いて高く感じられるなら、それはむしろ、合わないお客さんと会計のときに気まずくなるのを防いでくれます。

値段で選ばれたくない、という気持ちも分かります。でも、値段を隠して選ばれることのほうが、あとがしんどいはずです。

書き方としては、よく出る組み合わせを「カット+カラーで◯円」のようにまとめて出しておくと、読む人が計算しなくて済みます。単価だけを並べると、合計が想像できません。

写真は、モデルより実際のお客さんを

スタイル写真は、メーカーのモデル写真より、実際に担当したお客さんの写真のほうが効きます。理由は単純で、来る人は自分に近い髪質・年齢の人が見たいからです。

プロのモデルの髪でうまくいっている写真は、参考になりません。くせ毛の人が見たいのは、くせ毛がどうなったかです。

撮るときは、正面だけでなく後ろも撮っておくと使えます。後頭部の形は、お客さんが自分では確認できない場所で、そこがきれいに見えるかどうかを気にしている人はかなり多いです。

もちろん、お客さんの許可は先に取ってください。顔が入らない角度なら、承諾を得やすいです。

ひとりでやっているお店の場合

スタイリストがひとりのお店は、この話がそのまま強みになります。誰が担当するかで迷う必要がないからです。

その代わり、書くことははっきりします。あなたがどういう人で、何が得意で、どんな時間を過ごしてもらいたいのか。それがページの中心になります。

予約の受け方も書いておくといいです。ひとりのお店は、施術中は電話に出られません。「施術中は出られないので、LINEかフォームだと確実です」と書いてあるだけで、かけ直す手間が減ります。

よくある質問

予約サイトがあるのに、ホームページも要りますか

役割が違うので、両方あるのが理想です。予約サイトは比較して見つけてもらう場所、ホームページは「この人にお願いしよう」と決めてもらう場所です。店名で検索されたときに予約サイトしか出てこないと、他店と同じ形に見えたままになります。

顔写真を出したくないのですが、大丈夫ですか

大丈夫です。手元や後ろ姿、施術中の様子でも人の気配は伝わります。顔がない分、言葉のほうを厚くします。実際、顔を使わない前提で作ることはよくあります。

スタイル写真がほとんどありません

これから撮っていく前提で作れます。まず店内と手元の写真で構成して、スタイル写真は撮れたぶんから足していく形です。撮るときの角度もお伝えします。

料金を全部載せると、高く見えませんか

高く見えることはあります。ただ、その場合に離れるのは、もともと予算が合わなかった方です。書かずに来てもらって会計で気まずくなるより、先に分かっていたほうがお互い楽だと思っています。

美容室のホームページ制作は、いくらかかりますか

イロドライズの場合は、制作が10万円(一度きり)と、公開後の維持・更新が月1万5,000円です。スタイル写真の追加やメニュー変更も、月額の中で承ります。くわしくは料金と流れに書いています。

美容室は、予約サイトの完成度が高いぶん、ホームページの役割が見えにくい業種だと思います。それでも作るなら、比較のための情報ではなく、選ぶための情報を置く場所にしたほうがいいというのが、いまのところの考えです。

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