COLUMN — コラム

教室のホームページに足りないのは、先生のことです

ピアノの鍵盤に置かれた手

「音大卒業。指導歴20年」。教室のホームページの先生紹介に書いてあるのは、たいていこの2行です。腕が確かなことは分かります。でも、子どもが間違えたときにどんな声をかける先生なのかは分かりません。近所に教室が3つあって、月謝もそう変わらないとき、最後に決め手になるのはそちらのほうです。

ピアノ、書道、将棋、バレエ、学習塾。教室のホームページは、これまでに10件つくってきました。そのなかで毎回いちばん時間をかけるのが、先生のことをどう書くかです。そして、どの教室のページも、先生の情報がいちばん足りませんでした。

この記事では、先生紹介に書くための質問8つと、そのまま使える文例、月謝の見せ方、体験レッスンのページの作り方を書きます。

教室選びは、結局「誰に習うか」で決まります

月謝が比べられる条件になるのは当然です。ただ、近い価格帯の教室が何件かある場合、最後に残るのは「この先生に子どもを預けて大丈夫か」「この先生に、自分の下手なところを見せられるか」という部分です。

習い事も学習塾も、週に一度なり二度なり、同じ人と長い時間を過ごすことになります。相性が合わなければ続きません。だから先生の人柄や教え方が見えないページは、比べる材料にならないまま素通りされます。

教室を探している方の声を見ていくと、「どうやって探せばいいのか分からない」「体験に行くまで分からない」というものが並びます。体験に行くかどうかを決める材料が、ホームページに置かれていないということです。

先生紹介を書くための、8つの質問

トウシューズでポワントを立てた足元
ピアノでも書道でもバレエでも、聞くことはほとんど同じです。

先生ご自身に、この8つを口で答えてもらって、そのまま文字にするのがいちばん早いです。うまい文章にしようとするほど、どこかで見た言い回しに寄っていきます。手順は、録音かメモを取る → 話したとおりに文字にする → 先生本人に事実を確認してもらう → 公開、の4つです。

  • どんな生徒さんを、主に教えていますか
  • 初めての方の最初の3か月は、何をしますか
  • 間違えたとき、どう声をかけますか
  • 家での練習は、どのくらいお願いしますか
  • 厳しさと楽しさの、どちらを大事にしていますか
  • 発表会やコンクールへの参加は、必ずですか
  • 上達の具合は、保護者にどう伝えていますか
  • お休みしたとき、振替はできますか

これを文字にすると、こうなります。

よくある先生紹介

◯◯音楽大学ピアノ科卒業。
指導歴20年。
数々のコンクールで入賞者を輩出。

腕は確かなのだろう、で止まります。習っている自分は想像できません。

8つの質問に答えた紹介

はじめての生徒さんには、上手に弾くことより「教室で音を出すのが怖くない」と思ってもらうことを先に置いています。
間違えたときは、すぐに答えを言わず、どこから分からなくなったかを一緒に探します。
家での練習は、小学生なら1日10分から始めていただいています。
発表会は毎年ありますが、出る出ないはご本人が決めて大丈夫です。

経歴と並べて置くと、初めて比べられるようになります。

経歴を消す必要はありません。経歴の下に、この4行があるかどうかです。

月謝は「通い始めてからの総額」が分かるように

月謝を書くかどうかは、いつも悩ましいところだと思います。学年やコースで変わるので一律に書きにくい、という事情もよく分かります。

ただ、探している側からすると、月謝の書いていないページは「聞かないと分からない」=「まだ調べる段階ではない」と受け取られます。比べている最中の人は、そこで次の教室に移ります。

一律に書けない場合でも、この形なら出せます。

項目書き方の例
入会金5,000円(ごきょうだいで通われる場合は2人目から無料)
月謝月4回・30分:8,000円/月4回・45分:10,000円
教材費年間3,000円程度(進み具合によって変わります)
発表会参加される方のみ、15,000円前後
お休みしたとき前日までのご連絡で、同じ月内に振替ができます
やめるとき前の月の15日までにお申し出ください

※以下は説明のために作った架空の例です。実在する教室・料金とは関係ありません。金額も時間も、実際の運用に置き換えてください。

とくに書いておきたいのが、月謝以外にかかるものです。教材費、発表会費、検定料。あとから知ると、金額そのものより「聞いていなかった」ことのほうが気持ちに残ります。

体験レッスンのページに書くこと

「体験レッスン受付中」とだけ書いてあるページをよく見ます。申し込む側からすると、分からないことだらけです。何分かかるのか、いくらなのか、何を持っていけばいいのか、親は見ていていいのか、その場で入会を決めさせられるのか。

この5つに答えておけば、申し込む前の疑問はほとんど残りません。

よくある書き方

体験レッスン受付中です。
お気軽にお問い合わせください。

気軽に、と言われても、分からないことが多くて動けません。

迷わせない書き方

体験レッスンは30分・1,000円です。
持ち物はありません。
保護者の方はレッスン室で見学いただけます。
その日に入会を決めていただく必要はありません。あとからお電話でも大丈夫です。
ご希望の曜日を第3希望までお送りください。2日以内に空いている時間をご案内します。

「その場で決めなくていい」の一行があると、体験の申し込みが気軽になります。

申し込みフォームは、まずこの5つから始めるのがおすすめです。お名前、年齢か学年、経験の有無、希望の曜日と時間(第3希望まで)、聞いておきたいこと。項目を増やすほど途中でやめられやすくなる一方、少なすぎると往復が増えるので、返信のときに困ったことがあれば足していってください。

大人向けと子ども向けでは、前に出す情報が違います

窓から光の入るレッスン室
部屋の写真も、通う場所を想像するための材料になります。

同じ教室でも、誰に向けたページかで、上に置くものが変わります。

対象前に出す情報
子ども対象年齢、送迎と駐車場、保護者の見学、振替のきまり、発表会、家での練習の量
大人夜と土日の枠、初めてでも大丈夫か、手ぶらで通えるか、仕事の都合での振替
シニア教室までの階段、椅子の有無、楽器の貸し出し、進み方はゆっくりでよいこと
受験・専門これまでの進路、指導の中身、直前の追加レッスン、入室の条件

全部を一つのページに詰め込むと、どれも中途半端になります。人数の多いほうを主にして、もう一方は別のページに分けるのが分かりやすいです。

発表会の記録と、生徒さんの写真

発表会やコンクールの様子は、「この教室に通うと、その先に何があるか」を見せる材料になります。上手い下手ではなく、舞台に立つところまで面倒を見てくれる教室なのだと伝わります。

生徒さんの写真を載せる場合は、必ずご本人と保護者の同意をいただいてからにしてください。顔を出さない選び方もあります。後ろ姿、手元、作品だけ。それでも十分に伝わります。

感想をいただけた場合は、そのまま載せるのがいちばんです。整えた文章にするほど、作り物に見えます。お名前は「小学3年生の保護者の方」といった形でも構いません。

公開前のチェックリスト

いまの教室のページを開いて、上から確かめてみてください。

教室のホームページ 確認10項目
  • 先生紹介に、経歴以外のこと(教え方・大事にしていること)が書いてあるか
  • 先生が教えている場面の写真があるか
  • 対象になる年齢や、どんな人が通っているかが分かるか
  • 月謝が書いてあるか。書いていないなら、その理由が添えてあるか
  • 月謝以外にかかる費用(教材費・発表会費)が書いてあるか
  • 振替と、やめるときのきまりが書いてあるか
  • 体験レッスンの時間・料金・持ち物が書いてあるか
  • 「その場で決めなくていい」と書いてあるか
  • 空いている曜日や時間が分かるか
  • いちばん新しいお知らせが、1年以上前になっていないか

よくある質問

月謝はホームページに載せたほうがいいですか

載せることをおすすめします。一律に書けない場合でも、いちばん安いコースの金額、主な価格帯、月謝以外にかかる費用の3つを出しておけば、通い始めてからの負担が想像できます。

ピアノ教室や学習塾のホームページに、先生の顔写真は必要ですか

顔を出すかどうかは先生ご本人の考えで決めていいところです。ただ、正面のプロフィール写真より、生徒さんの横で教えている場面の写真のほうが、教え方が伝わります。顔を出さない場合は手元や後ろ姿でも構いません。

生徒さんの写真や感想は載せてもいいですか

ご本人と保護者の同意をいただいてからにしてください。顔を出さない選び方もありますし、感想はお名前をイニシャルや「小学3年生の保護者の方」といった形にすることもできます。

体験レッスンのページには何を書けばいいですか

時間と料金、持ち物、当日の流れ、保護者の見学ができるか、その場で入会を決めなくてよいこと。この5つがあると、申し込む前の迷いがほとんどなくなります。

教室のホームページ制作は、いくらかかりますか

イロドライズの場合は、制作が10万円(一度きり)と、公開後の維持・更新が月1万5,000円です。ページ数で金額が変わることはありません。くわしくは料金と流れに書いています。

教室の先生とお話ししていると、「そんなことまで書いていいんですか」と言われることがよくあります。書いていいと思います。むしろ、そこがいちばん読まれるところです。先生が普段どおりに話したことを、そのまま置いてあるページのほうが、整えた文章より信用されます。業種ごとに何を考えて作っているかは実績のページにまとめています。

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