COLUMN — コラム

幼稚園のホームページを見ているのは、保護者だけではありません

色鉛筆で絵を描く子どもの手元

園見学の申し込みが1件入るまでに、その園のホームページは何度も開かれています。入園を考えているご家庭は、たいてい2つか3つの園を並べて見比べています。そして見比べられているのは、教育方針よりも先に、預かり保育の終わり時間だったり、給食が週に何回かだったり、園バスがどこまで来るかだったりします。

それから、もうひとつ。就職先を探している先生も、園のホームページを見ています。ここが抜けている園のページは、とても多いと感じます。

この記事では、入園前のご家庭が確かめていること、先生が見ている場所、園児の顔を出さずに雰囲気を伝える写真の選び方、そして認定こども園に移るときに直す場所を、順番に書きます。そのまま使える書き方の例と、公開前のチェックリストもつけました。

入園を考えるご家庭が、ホームページで確かめている12のこと

園選びで迷っている方の声を見ていくと、「決め手が分からない」「見学で何を聞けばいいのか分からない」というものが並びます。裏を返すと、比べるための材料が足りていないということです。その材料の多くは、園のホームページに書けるものです。

実際に探されているのは、このあたりです。書き方の例まで入れておきます。

※以下は説明のために作った架空の例です。実在するお店・園・料金とは関係ありません。

項目知りたいこと書き方の例
預かり保育何時から何時まで/長期休みは平日は7時30分から18時30分まで。夏休み・冬休みも実施します(行事の前後はお休みをいただく日があります)
給食週に何回/自園でつくるのか週4回、園の給食室でつくっています。水曜日はお弁当の日です
アレルギー相談できるのか除去食のご相談を承っています。入園前の面談でお聞かせください
園バスどこまで来るのか◯◯地区と△△地区を巡回しています。停留所の一覧はこちら
駐車場送迎のときに停められるか園庭を開放しています(12台)。行事の日は近隣の◯◯へお願いしています
費用月々いくらかかるのか保育料のほかに、教材費・給食費・バス代がかかります。一覧はこちら
対象年齢何歳から預けられるか満3歳児クラスは、3歳のお誕生日を迎えた翌月からお入りいただけます
募集人数入れる見込みがあるか令和9年度は、3歳児30名、4歳児若干名を予定しています
一日の流れどんな時間割で過ごすのか9時登園、10時から活動、11時30分から給食……と時刻で並べる
年間行事親の出番はどのくらいか保護者の方にお手伝いいただくのは、運動会と発表会の2つです
見学いつ、どうやって申し込むか毎週水曜日の10時から。前日までにお電話ください。持ち物はありません
慣らし保育最初の何日かどうなるか入園後1週間は11時降園です。ご事情があればご相談ください

全部を一度に書く必要はありません。ただ、この12項目のうち、いくつが自園のページで見つかるか数えてみてください。見つからなかった項目は、そのまま電話で聞かれるか、聞かれないまま候補から外れます。

よくある書き方

預かり保育を実施しています。
給食を提供しています。
園バスがあります。

あることは分かりますが、自分の家の事情に合うかどうかは分かりません。

こう書くと比べられます

預かり保育は平日7時30分から18時30分まで。夏休み・冬休みも実施しています。
給食は週4回、園の給食室でつくっています。水曜日はお弁当の日です。
園バスは◯◯地区と△△地区を巡回しています。

数字と曜日が入るだけで、他の園と並べたときに読めるようになります。

もうひとり、園のホームページを見ている人がいます

就職先を探している保育士さん・幼稚園教諭の方です。求人サイトで園の名前を知ったあと、その園の名前をそのまま検索します。そこで出てくるのが園のホームページです。

ところが多くの園のページは、保護者だけを向いて作られています。採用のページがあっても、求人票をそのまま貼っただけで、勤務時間と給与しか書かれていないことがほとんどです。

働くほうが本当に知りたいのは、求人票に載っていないことです。

  • クラスは何人担任なのか。補助の先生は入るのか
  • 行事の準備を、いつやっているのか(勤務時間内か、そうでないか)
  • 持ち帰りの仕事があるのか
  • 休みは取れているのか。何人くらいの職場なのか
  • いま働いている先生が、何年くらい続けているのか

ここまで書いてある採用ページは、あまり見かけません。だからこそ、書けば目立ちます。

求人票を貼っただけ

職種:保育教諭
勤務時間:8時30分〜17時30分
休日:土日祝(行事の際は出勤あり)
給与:当園規定による

条件は分かりますが、この園で働く姿は想像できません。

先生の一日を書く

3歳児クラスは、担任1名と補助1名の2人体制です。
運動会と発表会の準備は、9月と1月の勤務時間内に確保しています。
持ち帰りの仕事はなくす方向で、書き物の時間を午睡中に取っています。
在籍している先生12名のうち、7名が5年以上勤めています。

数字が入ると、求人票では分からなかったことが伝わります。

先生の紹介ページも同じです。顔を出す出さないは別として、「入って3年目の先生が、いまどんなことを考えながら子どもたちと過ごしているか」が数行あるだけで、読む人の受け取り方は変わります。

園児の顔を出さなくても、園の空気は伝わります

ベンチに並んで座る子ども2人の後ろ姿
後ろ姿は、顔が写っていないぶん「うちの子もこの中にいるかもしれない」と重ねて見てもらいやすくなります。

園児の顔をどこまで出すかは、園ごとに考え方が違います。どちらが正しいという話ではありません。ただ、顔を使わない前提でも、10ページぶんのサイトは組めます。ある園に向けて見本を作ったときに、公開されている写真の中から後ろ姿と手元だけを選んで、顔の写ったカットを1枚も使わずに構成したことがあります。

使えるカットは、たとえばこういうものです。

置く場所写真伝わること
トップ園庭を歩く後ろ姿、または園庭を広く撮ったもの園の広さ、外遊びの様子
教育内容制作をしている手元何をしているか、道具、集中している空気
先生の紹介園児と目線を合わせて話している先生の横姿子どもとの距離のとり方
給食配膳された一食分量、彩り、食器
園での一日教室、ロッカー、絵本の棚整い方、清潔さ
年間行事飾りつけ、作品の展示行事の規模感
アクセス門の前、園バス初めて来る人の目印
遊具のある園庭
園庭や遊具のように、人が写っていない写真も、設備を伝える立派な材料になります。

逆に、顔を避けていても気をつけたいカットがあります。

  • 名札。後ろ姿でも、体操着の背中に名前が入っていることがあります
  • 作品に書かれた氏名。展示の写真でいちばん見落とされます
  • 掲示物。連絡事項や名簿が写り込んでいることがあります
  • 送迎の車のナンバー
  • 写真データに残る位置情報。スマートフォンで撮ったものは特に

公開の前に、この順番で確認しておくと安心です。①園としての掲載方針を決める ②保護者にどこまでの同意をいただいているかを確かめる ③写真を選ぶ ④名札・氏名・掲示物・ナンバーを1枚ずつ見る ⑤園内で最終確認をする。

認定こども園に移るときは、名前だけ直しても足りません

幼稚園から認定こども園へ移る園が増えています。このとき、ホームページの園名だけを直して終わりにすると、あとから食い違いが出てきます。

同時に直す場所は、だいたいこれだけあります。

  • サイト名とロゴまわりの施設の種別
  • 対象年齢と、1号・2号・3号それぞれの受け入れ範囲
  • 保育時間、預かりの時間、休園日
  • 申し込みの窓口(園に直接か、市の窓口か)と選考の方法
  • 費用と、無償化の対象になるもの・ならないもの
  • 給食、送迎、制服、持ちもの
  • よくある質問のページ
  • Googleビジネスプロフィールなど、園の外にある情報

移行の前の情報を残す場合は、ページの上のほうに「この内容は令和◯年3月までのものです」と入れておきます。消してしまうより、いつまでの話かが分かる形で残すほうが、読む人は混乱しません。

古い情報が残っていること自体が、判断材料になっています

園選びの場面では、更新されているかどうかが、そのまま安心材料として見られています。行事の写真が2年前で止まっていると、「今もやっているのだろうか」と受け取られます。園だよりで毎月伝えていても、外から見た人にはそれが届きません。

とはいえ、毎日更新するのは無理です。最初から3つに分けておくのがいいと思います。

  • 変わらないこと(園の方針、一日の流れ、預かり保育、給食、行き方、駐車場)→ ホームページにしっかり書く。何年でも効きます
  • 毎日・毎週変わること(今日の様子、急なお休み)→ SNSに任せて、ホームページから見えるようにしておく
  • 年に数回変わること(募集の告知、行事の写真、こども園への移行)→ 園で直せる場所を1か所だけ作っておく

大事なのは、直せる場所を1か所に絞っておくことです。園だよりの担当が代わっても引き継げますし、「どこを直せばいいのか分からない」で止まることもなくなります。

公開前のチェックリスト

いまの園のページを開いて、上から確かめてみてください。5分ほどで終わります。

幼稚園・保育園のホームページ 確認10項目
  • 預かり保育の開始・終了時刻と、長期休みの扱いが書いてあるか
  • 給食が週何回で、自園調理かどうかが書いてあるか
  • 園バスの範囲と、駐車場の台数が書いてあるか
  • 保育料以外にかかる費用の一覧があるか
  • 見学の申し込み方法(曜日・時間・連絡先・持ちもの)が書いてあるか
  • 先生の採用に向けたページがあり、勤務時間以外のことも書いてあるか
  • 写真に名札・氏名・掲示物・車のナンバーが写り込んでいないか
  • いちばん新しい行事の写真が、1年以上前になっていないか
  • こども園への移行など、制度が変わった内容がすべて反映されているか
  • 電話番号・住所・保育時間が、どのページでも同じ内容になっているか

全部そろっている必要はありません。ひとつ埋まるごとに、見学の電話をかける前に候補から外れる確率が下がります。写真を撮り直したり、デザインを新しくしたりするのは、そのあとで十分間に合います。

よくある質問

園児の顔写真は、載せないほうがいいですか

どちらが正しいということはなく、園の方針で決めることだと思っています。ただ、顔を使わなくても園の様子は伝わります。後ろ姿、手元、園庭、教室、給食、先生と園児が並んで歩く場面などで、一つのサイトを組むことはできます。

幼稚園のホームページには、どんなページが必要ですか

園の方針、園での一日、年間行事、入園案内、預かり保育と給食、アクセス、よくある質問、お問い合わせで8ページほどが目安です。先生の採用にも使うなら、採用のページを1枚加えます。

更新は誰がやることになりますか

毎日変わることはSNSに任せて、ホームページ側は年に数回で足ります。文章や写真の差し替え、保育時間などの更新は月額に含まれているので、園の手が空かないときはこちらで承ります。

行事の写真が古いままなのですが、消したほうがいいですか

消すより、日付を入れて残すほうがよいことが多いです。年度が分かる形で並んでいれば古い記録として読めますが、日付のないまま一番上にあると、今の園の様子だと受け取られます。

幼稚園のホームページ制作は、いくらかかりますか

イロドライズの場合は、制作が10万円(一度きり)と、公開後の維持・更新が月1万5,000円です。ページ数で金額が変わることはありません。くわしくは料金と流れに書いています。

園の方に「預かり保育は何時までですか」と伺うと、たいてい即答が返ってきます。そのあとで「それ、ホームページに書いてありますか」と聞くと、たいてい書いていません。預かりの終わり時間、給食の曜日、担任の人数。園の中では当たり前すぎて、わざわざ言うことだと思えないのだと思います。でも、外から園を見ている方が知りたいのは、たいていその当たり前のほうです。私たちの仕事は、それを聞き出して、読む人に分かる形に置き直すところだと思っています。業種ごとに何を考えて作っているかは実績のページにまとめています。

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園児の顔を出さなくても、園の様子は伝わります。

公開されている情報だけを使って、見本を一つ無料でお作りします。園児のお写真や個人情報をお預かりすることはありません。見てから決めてください。

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